時間はかかるけど。

地震から10日以上が経ち、大切な人や家族を失った方々の心のケアが懸念されています。
緊張の糸が切れた今、そしてこれからがつらい時期だと思います。

12年前、わたしも突然父を亡くしました。
原因は心筋梗塞。お風呂場で倒れそのまま逝ってしまったのです。

後に母から聞いたのですが、その日は何の前触れもなく、いつもの日常で、
いつもの会話がなされ、そして突然消されたものでした。

当時、兄も私も学生で県外に住んでいたので、叔母からの電話により訃報を聞かされました。

混乱して静まり返った帰りの車内で、兄から『俺はじいちゃんを、おまえはおかんのそばにできるだけおって支えないかんぞ。』と言われたのを覚えています。

実家に着くと、祖父は気丈にふるまっていましたが、母は憔悴しきっていました。

葬儀を終え、しばらくしても母は父を亡くしたお風呂場に立ち入ることができず、
わたしは母の手をとり、毎日いっしょに入りました。
日に日に痩せていく母の身体に触れることはとてもつらく、それは本当に長い時間のように感じました。

大学卒業後は実家に戻り、就職。
兄もわたしも祖父と母といっしょに暮らしました。

そして1年、2年、3年が過ぎ、少しずつ母へも笑顔が戻ってくるようになりました。

母の高校時代の友人のみなさんが母のために交換日記を送ってくれたこともありました。
高知だけじゃなく、東京、宮城に住んでいる方々5名ほどでまわしていたみたいで、
2ヶ月〜3ヶ月毎に母のもとへも送られていたようです。
母は嬉しそうに読んでいました。
どんなに母の支えになってくれたことか。。。友情の深さに胸が打たれました。

そして今、被災地宮城にいる友人のために母は
『あのとき支えてもらったから。出来る限りをことをせないかん』と
必要な物資をできるだけかき集めて送り届けたそうです。


大きな困難に直面したあと、人はそれまで以上に強く、やさしくなれます。
それは、支えてくれる人がいるから。
母が身を以て教えてくれました。

時間はかかるかもしれません。
でもきっと、笑顔は取り戻せるはず。
そう願っています。
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